育休最終日に思うこと
今日で育休が終わります。悲しい、泣きたい。
認可保育園入園目指して加点を得るための選択でしたが、認可の見学に行ってもあんまり育休切り上げて加点ゲット作戦をやっている人がいなくて、わりとみんな加点無しで1歳4月入園に臨む模様。保活ということでは明らかに私のほうが有利なのに、なんか勝った気がしません。勝ち負けというのはおかしいけど、「いいなぁ、まだ半年も子どもとゆっくりできて…」と思ってしまいます。はぁ、なんか今の認証園がすごく良い園なので、一年しっかり休んで、1歳4月はダメ元で加点無しで臨んでもよかったんじゃないかという気がどんどんしてきます。でももう明日から仕事。今さら変えられないので仕方ないですね。
でも、時短で15時上がりとはいえ、本当に15時に上がれるのかとか、同僚へ多大なる負担をかけることとか、やっぱり不安はたくさんあります。
しかし産休に入ってから産まれるまではすごーく長く感じたけど、産まれてからは本当にあっという間でした。毎日何をするでもなく、ひたすら授乳してオムツ変えて、3ヶ月過ぎたぐらいからは子の笑顔を見るために歌ったり踊ったり…。外出するようになってからも、授乳があるので4時間以内で帰ってきたし、なんでこんなにあっという間なのか、わかりません。
低月齢期は真冬だったので、ちょっとコンビニに行くにもモコモコしたやつ着せて、靴下履かせて…と大変だったなぁとか、思い出すとなんか泣けてきます。今のほうがニコニコ笑うし顔もちょっと引き締まってきて可愛いんですが、なんだろうなぁ、あのフニャフニャ感はもう二度とないんだなぁと思うと寂しくなります。
まさか自分がこんなことを思うなんて予想もしていなかったし(産んだら4ヶ月で復職する気だった)、観たい映画も悉く観られてないのに案外平気だったり、離乳食を全て手作りしていたり、自分の知らなかった自分を発見した気がします(小並感)。
あー、もっとゆっくりしたかったな。子よ、ごめんね。保育園のほうが友達もいるしおもちゃもたくさんあるし色んな体験ができるって分かってるけど、ごめんねー。
5ヶ月の赤ちゃんを連れて新幹線移動
抜け毛!抜け毛!抜け毛!
堪忍!映画館トホホ体験~渋谷系男子は映画を観たあと渋谷でどうなるか~
2年ぐらい前の体験です。
冬のある日、禁欲的な作風で名高い監督の、現代にあって敢えて白黒で撮られたヨーロッパ映画を、一人で観に行ったときのことです。開場30分前には現場入り し、整理番号は栄光の3番。「少し後ろの左右ど真ん中」というベストポジションに、余裕で着席することができました。最初座った席でおにぎりを食べました が、一つ右のほうがど真ん中かな?と思って移動する余裕までありました。
そして、チラシや本などを読みながら上映時間を待っていると、左隣に若い渋谷系男子っぽい人が座ってきました。あまりちゃんと見なかったのですが、無害な雰囲気だったので特に気にしませんでした。
ところがです。いざ本編が始まってみると、早速気付いたことがあります。隣の男子の鼻息が物凄く荒いのです。たぶん癖なのでしょう、0.5秒で吸っ て0.5秒で吐くような、速い鼻息です。映画はすごく禁欲的で、セリフはほとんどなく、風の音がゴーッと鳴り響いたり、Aマイナーの弦楽曲が同じ旋律を 延々繰り返すだけでした。彼の鼻息は風が吹くと一層吹いて、Aマイナーの音楽のテンポをはるかに凌ぐ速さです。当然私は全く映画に集中できず、男子をチラ チラ見たり、左耳に指を突っ込んでみたり、鼻に指を突っ込んでいるように見える芸をしたりしてアピールしましたが、一向に気づく気配はありません。そこ で、「いっ そ」と思い、私も血走った目で、馬を思わせるような鼻息を響かせてやりました。ホラ、うるさいだろう?集中できないだろう?ということを思い知らせてやろ うと思ったのです。しかし相手は反省して鼻息を鎮めるどころか、今までのヘルツを上回る激しさの鼻息でもって応戦してきたのです。たぶん彼は「あ、いいん だ、この人もうるさいし僕も遠慮せずいこう」と思ったんだと思います。私は悔しさにハンカチを噛みました。そして諦めました。もう今回はまともな鑑賞環境 を期待するのはやめよう、と思いました。いつしか私は眠りに落ちました。そういえば、この監督の映画は前作も寝たんだった。
ふと意識が戻ったときにはエンドロール。男子の顔を一目にらんでやろうと、彼が席を立つと同時に私も立ち、後をつけました。すると彼はおもむろに電 話を取り出して会話をはじめ、「今観た映画すごい良かったよ、寝てた人もいたけど俺は良かったな~」と幸福そうにホクホクとのたまいました。なんというこ とでしょうか。寝てた人とは私のことでしょうか。で も私は怒りませんでした。なぜなら、彼のズボンのお尻のところに、米が一粒くっついているのを発見したからです。それはまぎれもなく、私が最初に彼の席に 座っていたときに食べたおにぎりの一粒でした。この時私はこの世に神の存在を確信しました(僕のアーバンブルーズへの貢献)。彼はこの後、スクランブル交 差点を渡り、友とあいさつを交わし、今日観た映画のことを、知的な語彙を用いて話すかもしれません。でも、尻に米ついてるよ。
こ の映画は後から調べてみるとすごく評価が高いみたいでした。ですが、かわいそうな私には良さが全くわかりませんでした。映画館って、隣にどんな人がくるの かがわからないところがスリルで、そしてそれはあんまり楽しくないスリルだと思うのです。それでもやっぱり映画館に行ってしまうんだよなぁ。でもこのとき は、鼻息だけしか頭になかった。
(最近更新できなくなってきた映画ブログからの転載。雑記のみちょくちょく転載することにします)
湯島天神でお宮参り、近くのお店(梅の花)でお食い初め
昨日、お宮参りとお食い初めを同時にやりました。
お宮参りは夫の実家の氏神様のところでやるのが正式なようですが、諸事情により東京でやりました。東京の神社には何の縁もゆかりもないので、好きなところを選んでしまえ!ということで、東京駅からのアクセスも良くて毎年梅まつりが楽しみな湯島天神に行きました。学問の神様だし、頭よくなるといいな。
梅は少~し残るだけとなってましたが、受験のお礼まいりなのか、結構混んでました。お宮参りの人も結構来ていて、やっぱりうちと同じように真冬産まれの子がチラホラ見られました。お宮参りの後は、近くのお店でお食い初めをやりました。
湯島天神でのお宮参りと、梅の花でのお食い初めについて、どんな感じだったか記録を残しておきたいと思います。
▼装備について
自分:授乳ワンピース+ジャケット+コートを着て、抱っこ紐使用。持ち物は、祈祷料(のし袋入り)、おむつ替えセット、着替え、哺乳瓶、粉ミルク、カメラ、掛け着、授乳ケープ。ベビーカーは、電車での乗り換えがあるので面倒だったのと、寒い日だったので抱っこ紐のほうが暖かいと思ったのでやめました。が、湯島天神にはベビーカーで来ている人もいて、社務所の玄関で預かってもらっているようでした。
子:顔的にも月齢的にもベビードレスが絶対似合わないと思ったので、袴風ロンパースをアマゾンで適当にポチってみたら、意外にめちゃくちゃ似合って可愛かった。
▼時間について
祈祷は予約不要だが結婚式が入ると待たされることもある、とのこと(ホームページに記載あり)だったので、事前に電話で問い合わせると、「10:00~と11:00~に結婚式が入っているので、10:20くらいに来ていただければちょうどいいと思います」とのこと。式と式の間に祈祷してくれるようです。
なので私たち(義両親、両親、私たち夫婦&子)は10:00に御徒町で待ち合わせて、徒歩で移動しました。
▼祈祷料、着替える場所等について
着いたら社務所にて受付し、ロビーにて待機。祈祷料は五千円、一万円、二万円と選べました。ロビーで待機している間に掛け着をかけたり、ちょっと写真を撮ったりしました。授乳ケープで授乳している人もいました。
▼祈祷について
ロビーで待機していると巫女さんが名前を呼んでくれて、荷物を全て持って本殿に移動し、祈祷してもらいました。2家族合同でした。よその赤ちゃんも可愛かった。
祈祷後またロビーに戻って、屏風の前で写真撮りまくりました。
▼お食い初めについて
それからお食い初めのため、湯島天神から徒歩5分程度のお店「梅の花」へ。チェーン店ですが、お食い初め膳を用意してくれるとのことだったので決めました。
料理は「梅の花膳」で、一人5000円。豆腐料理の懐石(?)で、お腹一杯になったので十分でした。お食い初め膳は写真の通り。確か3800円。鯛のないバージョンだと1080円。だいぶ違いますね。でも見栄えを優先して、鯛付きにしてみました。
お店はとても慣れているようで、赤ん坊用にクーファンを用意してくれたり、ミルクを作るための熱湯と冷やすための氷水を持ってきてくれたりして、とってもありがたかったです。ただ授乳室はなく、空いている部屋があれば貸してくれるようでした。昨日は土曜の大安で、空きがなさそうだったので胸の張りは我慢してミルクをあげることにしましたが、100ml分しか持参しなかったため、飲み終えて子が「足りねーぞ!」と泣いたので結局母乳もあげました。個室だったので後ろを向いてチャチャッとやりましたが、授乳ケープがうまく使えたらラクだよなぁ・・・と思ったりしました。
あと、お店の人が集合写真を撮ってくれて、プリントしてプレゼントしてくれました。嬉しいサービスでした!
お宮参りもお食い初めも、なかなか満足できました。無事終わって良かった。
子育てと間取り ~引っ越したい、引っ越したばかりだけど
今の家に越してきたのは昨年の4月です。妊娠が判明したのも昨年の4月です。
ちょうど昨年の今頃、前に住んでいた家があまりにも狭く、嫌気がさしてきたので引越しを考えました。そのとき「子供ができるかもしれない」ということは念頭にうっすらありましたが、まさかこんなにすぐ出来るとは思っていませんでした。「すぐ」というか、全てのお金を支払って契約も済んだ後の荷造り中に判明したので、正確には引っ越す「前」です。
で、どんな家を選んだかというと、居酒屋・服屋・雑貨屋の多い遊びに適した町の、新築の、駅徒歩8分の、大通り沿い(マジの大通り)の、1LDK(ギリ40平米)マンションです。大通り沿いで車の騒音があるので割安でした。窓を閉めれば気にならないし、全然問題な~い(SMAP)ということで決めました。結構ウキウキで決めました。新築だから初期費用高かったけど「ま、いっか!超遊べる町だし」みたいな感じでした。
どっこい妊娠してみると、この家が嫌で嫌で仕方がなくなってしまいました。動物的本能なのか、大通り沿いというのがすごく嫌になったのです。排気ガスの臭いに吐きそうになったり、エントランスから子供がピュッと飛び出したらスピード出してるチャリに轢かれる!と想像してげんなりしたり、あとは新築マンション特有の化学的な(ペンキか何かの?)臭いにも吐きそうになって、引越し前はあれだけ色々考えていたインテリアも「もーどーでもいーよ」という感じで、荷ほどきもすべて夫に任せました。まぁつわりだったんですが、荷ほどきを全てやらされ、家具も選ばされた揚句「こんな背の高い棚、倒れてきたら子供が死ぬだろ!」などとキレられて棄てさせられた夫は今思うと本当に気の毒なのですが、あのときはつわりで・・・。
つわりが終わってからも「この家嫌だな・・・」という感じはずっとあったのですが、出産を終えて里から戻ってみると、「ちょっと狭いし子どもスペースとか作れないけど、契約更新時期までは住んでもいいかな。日当たり良いし」と思えるようになっていました。臭いも全然気にならなくなりました。
とはいえ、やっぱり2部屋しかないというのはやっぱり不便だし、リビングもキッチン部分除いたらたぶん8~9畳ぐらいしかないので狭いです。しかも本やらレコードやら色んな配線やらがごちゃごちゃになっていて、到底子育て向きの部屋とはいえません。ハイハイとかつかまり立ちとかし始めたら本気でどうしたら良いんでしょうか。でも他には寝室しかないし、この寝室がまた狭くて物を移動できないので、居間に置くしかない。あと、親が手伝いに来てくれたときなんかも寝る部屋がないので近くのホテルに泊まってもらったりしているので、それもなんだかなぁ、という感じです。だからやっぱり引っ越したい、2LDKで55平米以上の家に!*1
すぐに引っ越すのはもったいないのと、来年の4月から認可保育園に転園したいと思っているのでそれに合わせて来年の3月あたりに引っ越したいと思っていますが、保育園が決まってから引っ越すか、先に引っ越して近くの保育園を希望するか、どちらが良いのか大変迷います。
今は相場を知るため、というかただ楽しいから、SUUMOやらHOME'Sやらを毎日チェックしています。あとオシャレ系不動産屋R-STOREとかgoodroomとかもチェックしてます。それであの、別にどうでもいいんですが、普通の不動産屋さん、写真がテキトーすぎますよ。写真が、というより色々テキトーすぎる。間取りと写真がどう見ても一致しないし、写真もピンボケしたものを平気で載せてたりしますね。あと、周辺環境と称してスーパーや保育園などの写真が載ってますが、いりませんよ。特に保育園の写真。入園できるかどうかが未知すぎるってわかってるんですかね。そしてオシャレ系はオシャレ系で、漏れなく説明文がチャラいですね。写真はさすがにそこそこ綺麗に撮ってますが、とにかくチャラい。客は学生ばかりではないのだよ君、こちとらオーバー30なんですよ。普通に書いてください。でも、シャレオツ(SMAP)な物件を見ると、「いいなぁ~」なんて思ってしまいます。どう考えても相場より高いのに。
上京して以来、今の家を含めて5つの家に住んできましたが、子どもがいるという状態での家探しは初めてなので、色々悩みます。今まで頑なに鉄筋コンクリートにこだわってきたけど、家賃を抑えることを考えると木造も視野に入れるべきなのか、逆に子供が走り回ったり泣いたりすることを考えると今こそ頑なに鉄筋コンにこだわるべきなのか。1階の部屋はセキュリティ面が不安で住んだことがなかったけど、子どもが走り回って下の住人に迷惑をかけるかもしれないことや庭で遊べることを考えたらむしろ1階のほうがいいのか。メゾネットはアリなのか。やっぱり和室があると便利なのか。・・・等々、悩みはつきません。
来年の3月というと、子はもうつかまり立ちしてる時期ですね。それまでに今の部屋の状態を変えないと危ないし狭いので、本当に頭を抱えてしまいます。そしてつかまり立ちするような子を抱えての引越しって大変そうだなぁ・・・。荷造りとか、永遠に終わらないんじゃないだろうか。
*1:画像の間取りなんか定番ぽいけど、こういうので十分なんですがね。でもなかなか予算内では駅からやたら遠くなったり古くなったりしてしまいます
ドキュメント SHUSSAN ~出産、それは地獄~ 後篇
kutsushitaikuji.hatenablog.com
(つづき)
私はあまりの痛みにまた泣きだす。赤ちゃんの心拍は元気に標準内の数値をトクトクトクと記録している。陣痛の度合いは、お腹の張りの度合いから計測されているのだと思うけど、最低が0、最高が100。朝病院についてすぐ内診後にもこれをやったときは、痛みのピークで30くらいだったけど、この時すでに100を記録(朝、助産師さんに「陣痛も、それほど痛いってわけでもなさそうですけど定期的に良い感じできてますね!」と言われ、「はああ!?痛いよ!」と思ったことを思い出す)。痛みの引いている時間は2~3分になっていて、たまにその間意識がぶっ飛ぶ。睡眠不足だったので、寝てしまっていたのか、気を失っていたのか、定かではない。痛みがやってくると、20、28、36、58、70、84、100 !!!!!!!!!!!!という具合に、数字とともに痛みの度合いが激しくなっていくので、数字を見るのが恐ろしくなる。夫はさすがに大変そうだと思ったのか、静かに「頑張れよ」などと言っている。飲み物を飲ませようとするも、受け付けない。
そしてまた波が来て、もう、限界を通り越している私は身体をおもいっきり反らせて痛みを逃していた。すると夫がナースコールを押し、「なんか身体そらしてます!たぶんいきんでます!」と、助産師さんを呼んだ。すぐに助産師さんが来て、先生も来た。内診され(この内診も普通に痛いんですがこの時はもうそんなのどうでもよかった)、「あっ全開してるね~、もう生まれるよ!」と先生が言うので、私は「ああ、本当に良かった・・・」と思う。このとき午後7時くらい。色んな器具が運ばれてきて、ベテラン風助産師さんにいきみ方を説明される。いわく、痛みのピークがきたら、思いっきりいきむようにと。言われた通り実践するも、もう痛すぎて頭ぶっこわれてるので、いきむとき「ぬおおおおお!」という声を出してしまう。でも別に恥ずかしくない、どうでもいい。1分おきぐらいに陣痛はやってきて、そのたびにいきんだ。このいきんでいる間、息ができなくてすごく苦しい。そして痛みが引いている間(引いているといっても数値は30くらい)、これまた寝てしまったのか気を失ったのか、なぜか薬師丸ひろ子の顔が頭の中にずっと浮かんでいた。
もう何回いきんだだろうか、ふと気付けば、していたはずのメガネが外されている。ぼんやりと見える助産師さんに「あと何回ですか・・・!」と聞くと、「う~ん、そうねぇ~まぁ、あと数回になったらお知らせするわよ」と言われ、「まだまだってことか!!」と絶望的な気持ちになる。そこからはもう、意識がぶっとんでいてよく覚えていないけど、とにかく痛すぎて常にギューッと目をつぶっており、周りの様子がどうなっているのか全くわからなかった。波が来るたびに「ウウ・・・もう辛い・・・!」と泣きながらいきんでいると、助産師さんが「あと3回ぐらいよ、がんばれ!」「頭見えてきたわよ~」と言う。ああ、やっとか・・・と思いながらいきんだら、頭が出口にスッポリはまったらしく、焼けるような痛みが。先生が「これは痛いね~。でもだんなさん、写真撮っておく?余裕ある?」というので、私は「ない!裂けそうなんですけど!」と言うと、先生が「じゃ、切ろうか」と言い、巨大なハサミが視界に入った。次にいきんだとき、ジョキン!という音とともに「オギャー!」という声が聞こえ、無事産まれたらしいことがわかった。午後9時半だった。2時間以上いきんでいたらしい。
産まれた子の顔を見せてもらうと、私の父方の祖父にそっくりなので笑ってしまった。
病院から渡された「出産のながれ」という紙には、「赤ちゃんが産まれたあと、弱い陣痛が来て胎盤が出てきます。」と書いてあったのでそのつもりでいると、先生が「あ、これ臍の緒ね」と言って私に何やらグロテスクなものを見せてきてそれをひっぱり、私のお腹の中にある胎盤を引きずり出したのでとても驚いた。お腹の上からでも、胎盤が動いて出ていったのがわかった。妙な感触と驚きで「ウワーッ」と言うと、先生はニヤニヤしていた。
そしてすぐ、切開したところを麻酔なしで縫われた。産んだ後で、少し気持ちに余裕があるせいか、「痛ーっ!」と叫んだ(陣痛は叫ぶ余裕もなかった)。長時間いきんでいたせいか、足がガクガク震えるので、3人がかりぐらいで私の足を全開にして押さえている。そして先生が縫う。ああ、私、この人たちに見られて恥ずかしいものなんてもう何もないな、と思った。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
出産そのものについては以上です。この後もずっと重い生理痛のような痛みがあったり夜中に身体がガクガク震えたりとかしましたがそんなのは取るに足らないことです。
不思議なのは、産まれた直後、顔を見てもカンガルーケアをしても、実感が全然湧かなかったことです。涙が出たりするのかと思ったのですが、この日はまだ「とにかく疲れた」という感じでした。
それが、その翌々日、母子同室となり、夜中にギャンギャン泣かれ、あやしていると、「ああ、私この子を産んだんだ、これは私の赤ちゃんなんだ、これからずっと育てていくんだ、私が守るんだ」という気持ちが不意に湧いてきて、そこからはそういう気持ちが上昇して行くばかりでした。
まぁでも、この後乳首がパックリ切れたり夜全然眠れなくて白目になってたりして、溢れる母性で常にほほえみをたたえて子を見つめていたかというと、そんなことは全くないのですが。
とにかく私が言いたいことは一つです。
「こんな痛み、経験しなくてすむならしないほうがいい」。
「お腹を痛めて産んでこそ~」とか、ホントくだらないと思います。母性なんてお世話し始めてから初めて湧いてくるものだし、仮に産まれた瞬間から湧いたとしても、それは無痛分娩だって帝王切開だって同じことだと思います。私は声を大にして言いたいです、「ラクして産んで何が悪い」と。それが子への愛情度合いを示したり、その後の愛情の深さに影響したりするとは全く思いません。まぁ、今回普通分娩で産んでみて得たことといえば「わたし頑張った」、という達成感でしょうか。やってやった、という感じです。人生でこんなに頑張ったことはありません。でも、もう経験したくないです。今はまだ考えられないけど、もし第二子ができたりしたら、絶対無痛分娩で産みたいと思います。人間、知能が高いことがウリなら、知能を使ってお産の痛みを軽減することになんの矛盾があるのかと思いました。おわり